「ひらがなけやき」の思い出を語るだけの長文です
個人的な思いの丈を率直に、長文にして書き連ねます。今日はそんな日、今日はそんな犬です。
僕が初めて「欅坂46」の握手会に参加したのは3rdシングル「二人セゾン」のときでした。
全握券たった2枚を引っ提げて、尾関・長沢レーンと平手・米谷レーンに並んで握手してもらいました。特にメモも取ってないけど、どんな会話の内容だったか、よく覚えています。
思い返すと、漢字ペアレーンが行列を成す一方で、その隣のひらがなペアレーンは閑古鳥10万羽鳴いてるのかというぐらいすっからかんの閑散としていて、圧倒的すぎる人気と知名度の差に、当時の僕は見ていて率直に残酷で可哀想な気持ちになりました。
しかし、その頃の自分は欅坂を追っかけ始めたばかりで、まだ「ひらがなけやき」に目を向ける余裕もなかったですし、ましてや曲数も露出も少なく、垢抜ける前のひらがなけやきに魅力を感じることは当時としてはまったくありえませんでした。
今にしてみれば、もっと早くからその魅力に気付いてあげられてたら…とは思いますが、その魅力を思いのままに人前にお披露目できる場も、当時の彼女らにはほとんどなかったのも事実です。
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「欅坂46」に魅了されてしばらくが経ち、自分にとってある転機が訪れます。第一の転機です。それは2017年5月31日。ひらがなけやき全国ツアーZepp Namba公演。そのライブビューイングをZepp Nagoyaで観賞した日です。
不協和音あたりからちょっとずつ垢抜けてきて可愛くなったなと思い始めてきたひらがなけやきのライブビューイングがわりと安値でそれも近場で見られるということで、ライブに行きたがっていた僕はしっかり応募していました。
そこで、今日に至るまで伝聞のみで語り継がれてきた、知る人ぞ知る影山優佳センターの「世界には愛しかない」を目の当たりにするのです。
あくまでこの曲は漢字欅のカバー、なのにここまで自分のカラーにこの曲を染めあげてみせてる、新しい解釈で歌いあげてみせてる…ひらがなのカバーにまさかこんなにも心を揺さぶられるなんて…と、影ちゃんのポテンシャルの高さに驚いて、こんな子がひらがなけやきにいるんだなとようやく「気付いた」のです。
ですが、まだ当時は「気付いた」の範疇でしかなく、僕の中でふつふつと微熱を帯びてきている程度で、欅坂46一強であることに変わりはありませんでした。
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第二の転機は、欅坂46全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」名古屋公演2days(8月16・17日)に参戦したときのことです。そこで僕は心が折れるような、大袈裟でなく絶望に近いような、そんな光景に立ち会ってしまいました。その日から、僕の心は欅坂46と一緒に"浮き沈み"するようになりました。
そんな出来事があったあとにひらがなけやきはというと、2期生が加入し、初めての単独主演ドラマ「Re:Mind」がスタートし、「欅って、書けない?」にしばしば登場するようになって、注目すべき出来事やメディアへの露出が徐々に増え始めていきました。運営が力を入れ始めているんだなと目に見えてきた頃でした。
一方で、欅坂46は「風に吹かれても」で全ツ以降のどこか重たくて躁鬱とした空気を振り払って華々しくリスタート…と行きたい、行ってほしかったところでしたが、MV公開時のインパクトをその後のTV番組でのパフォーマンス披露で超えてくれることはほとんどなく(唯一「欅坂46SHOW」だけが救いだった)、年末に至るまで心配事は増すばかりで、どうしてこうも上手くいかないんだろうと、もどかしく思う日々でした。
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そしていよいよ第三の転機が訪れます。それは2018年2月1日。ひらがなけやきのみによる日本武道館3days公演の千秋楽に参戦した日です。
ご存知の通り、そもそもこの単独ライブはひらがな1day漢字2daysによる3日間構成であって、それが漢字欅センター平手友梨奈の負傷により、ひらがなけやきに3日間すべて託されたわけです。
僕としては、最初は両方行くつもりで応募していました。結果として最終日のみが当たりました。この夏の全ツ以来の単独ライブとなるこの武道館公演で、本気の欅坂46をもう一度見せつけてくれと願っての応募でしたが、それが叶わなかったのは残念ですし、たとえ不完全でもいいから挑戦して欲しかったという思いもあって、個人的には怪我のことよりもその部分にショックを受けたというのが正直な当時の感情です。
大好きなアイドルの、歯車がまったく噛み合ってない状況を半年間見守り続け、心労を重ねて疲弊し、気付いたら失意の底にいた自分に、希望を与えてくれたのはあの日のひらがなけやきでした。
「単独デビューアルバム発売決定!」一緒に歓喜したのをよく覚えています。そのあとのダブルアンコールの「誰よりも高く跳べ!」は、盛り上がりすぎてもはや記憶が飛んでしまったほどです。
気付いたら、僕の心の"安定"はひらがなけやきあってのものになっていました。
それは、決して漢字欅を好きじゃなくなったとか、そういうことでなく、漢字欅に求めていたことの一部をひらがなけやきに求めるようにしたら、心に活力が帯びるようになってきたということです。
そして、単独冠番組「ひらがな推し」スタート、舞台「あゆみ」、1stアルバム「走り出す瞬間」発売、アルバムを引っ提げた全国ツアー、フェスにも精力的に参加し、ひらがなくりすます3daysも成功させ、ひらがなけやきの快進撃は続き、
それだけ実力を付けて人気を勝ち取ってもまだ、彼女たちは「シングルデビュー」していない"奇妙"なグループでした。
時は流れ・・・
2019年2月11日。件のSHOWROOMで「3年間は長かった」と佐々木美玲は正直に吐露してくれました。
そりゃ長いよ、3年は。
10代の3年は、耐え忍ぶにはあまりにも長い、長すぎた。
報われるのも遅すぎた。でも、地道な努力が報われるんだということを証明できた。よかった、本当によかった。本当におめでとう。
来たる3月27日。彼女らはついに大願成就となる単独シングルデビューを果たします。
そう、
「日向坂46」として──。
改名はどんなニュースよりも衝撃的でした。
彼女らはこれから大きくなってもずっと「ひらがな」なんだと、勝手に思い込んでた自分がいました。
「改名?ひらがなけやきという名前がいいんだろ!」と信じて疑わなかった自分でしたが、メンバーが画面の向こうで大いに喜んでるのを見て、そこでようやく気付かされました。
「ひらがなけやきって、何?」
「欅坂とどう違うの?」
「欅坂には漢字の欅坂とひらがなのけやき坂があって…」
もう、悩まなくて済むんだな、と。
存在意義を疑わなくて済むんだな、と。
「ひらがなけやき」と呼ばなくなるのも呼ばれなくなるのもあまりにも寂しい、しばらくは"間違えて"呼んじゃうかもしれない。あんなに独立を期待していたのに、いざ名前まで変わって完全に分離するとなると、なんだか妙に寂しい。本当に勝手な自分だなと思っています。
しばらくはお互い慣れないかもしれないけど、慣れるように頑張ります。たぶんメンバーも戸惑ってるよね。慣れないけど、「日向」というのが彼女らのイメージにピッタリで本当にいい名前だと思います。「ひらがな」の語感を残してるのもいいですし、よく考えたな、ちょうどいい坂があったもんだなと思います(実在するのは「ひゅうがざか」らしいけど)。
名前が変わっても「ひらがなけやき」「ひらがなで恋したい」は歌い続けてほしいし、「永遠の白線」でひらがなを宙に描いてほしいし、日向坂46がひらがなけやきだったことを証明する作品のすべては、そのままの姿で後世に受け継いでほしいなと思ってます。あと推しタオルもひらがな表記であり続けてほしいです。
そして、これは僕個人の盛大なわがままですが、日向坂46の記念すべき1stシングルのセンターはひらがなけやき1期生の中から選ばれてほしいなと思っています。
ひらがなけやきの1期生が辛酸を舐めて苦杯を喫して来ながらも誰一人として欠けず、謙虚に努力し続けてきたからこその今があると思うので、その真の報いという意味で、1期生の誰かに1stシングルのセンターを飾ってほしいのです。
もちろん、誰が選ばれても喜ばしいことですが、もしもそれが叶ってくれたらとても嬉しい、そんな願いです。
日向坂46、これから応援していきます。2つのアイドルグループを追っかけて行くのは金銭的にスケジュール的に修羅の道の予感がしますが、浮いたり沈んだり傷ついたり休んだりしながらも、まだまだ坂を駆け上がろうとする2組の姿を、遠からず近からず応援したいです、できる限り。
でも、今年の欅共和国に、日向坂はいないだろうな。
だけど、またどこかで共演できるお祭りのようなイベントがあったら、勤労の義務をかなぐり捨ててでも行きたいです。
重ね重ね、ひらがなけやき改め日向坂46、単独シングルデビューおめでとうございます!!㊗️
例によって長文すぎる長文を書いてしまいました。
こんな記事を見つけて1行でも読んでくださってありがとうございます。
それでは次回はデビューカウントダウンライブの感想でお会いしましょう!(最悪なフラグの立て方)
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あのとき、
メンバーが脱退してたとしたら?
現状打破を諦めてしまったとしたら?
信じることを諦めてしまったとしたら?
運営がひらがなを諦めてしまったとしたら?
ひらがながアイドルを諦めてしまったとしたら?
心折れることもあっただろうけど、信じて努力と礼節と笑顔を欠かさずに、人々の想像を遥かに超える力でもって己の運命を覆してみせた、ひらがなけやき。
「天命反転」とはそういうことだったのかなと、改めて思った今日でした。